墓地についての基礎講座

生存中に墓地を建てる

生きている間に自分のお墓を建てる人がいます。このような生前墓は「寿陵」と呼ばれ、たいへん縁起が良いとされています。古くは秦の始皇帝や聖徳太子も寿陵を建てたと言われており、現在も寿陵を建てる人は増えているのです。
寿陵を建てるメリットはいくつかありますが、まず自分の気に入ったお墓を選ぶことができるという点です。場所や墓石など、自分の入る墓ですからやはり自分で選びたいというのは自然なことです。また、生前にお墓を建てておくことで、残された家族の負担を減らすことができます。お墓を建てるとなると、数百万円かかることも珍しくありませんし、亡くなってから遺族がお墓を探すとどうしてもバタバタします。そのため、子どもに負担をかけたくないという理由で生前に寿陵を建てる人も多くなっているのです。寿陵を用意しておけば、突然不幸があったとしても遺族がお墓探しに煩わされることなく、四十九日の法要に合わせてスムーズに納骨することができるので、自分も家族も安心ですね。自分の遺産は子供たちに行くのだから経済的な負担は問題ないという考え方もありますが、どうせそのお金でお墓を建てるのならば、自分で寿陵を用意したほうが税金対策にもなります。
ただし、寿陵はどこにでも建てられるわけではありません。公営の墓地の場合は、申し込みの条件が手元に遺骨があることとしているものが多いので基本的には生前に申し込むことはできません。寺院墓地や民営墓地で探すようにしましょう。また、霊園によっては契約後一定の期間に墓石を置くことが条件とされているところもあります。とりあえず墓地だけ確保して墓石は後から、というわけにはいかないのです。とはいえ、墓石も生前に建てることはできますの、とりあえず墓石を立てておくか、生前に戒名をいただいている場合にはそれを彫って赤い色で字を塗っておきます。亡くなってお墓に入るときに、その赤い色を取り除くのです。実際に寿陵を用意した人に聞くと、いざというときに備えてお墓を建てることによって安心して暮らせると感じていることが多いようです。いつか必要になるお墓ですから、生きている間に考えておくのもいいですね。

 

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