墓地についての基礎講座

納骨堂

納骨堂とは、もともと寺院の中などに建てられており、お墓ができるまでの間お骨を納めておく場所として使われるものでした。もちろん現在でもそうした一時的な利用目的の納骨堂もありますが、お墓を建てずに永久にお骨を保管することを目的とした納骨堂も多くなっています。国土の狭い日本では特に、屋内霊園として多くのお骨を収容できるマンションタイプの納骨堂も増えているのです。
納骨堂にはいろいろなタイプがあり、それぞれのお骨を収容するスペースによってロッカー式や仏壇式、お墓式などいろいろなものがあります。ロッカーのように区画が細かく区切られているところに納骨するタイプのものは、お参りは共通のご本尊などにするものもあれば、それぞれのお骨を取り出してお参りができるものもあります。中にはカードなどを差し込むと自動的に遺骨を納めた御厨子などが運ばれてきてお参りできるものもあり大変便利です。また、建物の中に仏壇やお墓が整然と並んでいるようなタイプであれば普通のお墓参りのように自分の契約している区画でお参りをすることになります。お花やお線香なども備えることができるところが多く、仏壇に写真や記念品を置くこともできる場合もあります。一般的な納骨堂では宗派などの制約がないので誰でも利用することができますが、寺院が行っている納骨堂の場合は、定期的に僧侶が供養を行ってくれる代わりに宗派が限定される場合もあります。
納骨堂のメリットは、やはり専有面積が少なくてすむだけに、普通のお墓と比べると費用がかなり低く抑えることができる点です。もちろん場所や設備などによって費用は異なりますが、一般的にはお墓を建てるよりも高くつくことはありません。しかも、建物に収容するため立地が便利なところが多く、駅から徒歩数分などお参りする人にとっても行きやすい納骨堂も多いようです。お墓参りの日が雨でも大丈夫ですし、墓石を洗ったり草むしりをしたりといった管理も不要です。
デメリットとしては、やはり使用する期間についての問題があります。納骨堂によって使用期間は様々で、永久に使うことができる場合もあれば、33回忌までの使用でそれ以降は契約を更新するか、合同の霊廟などに移すかを選ぶところもあります。もちろん建物の中に収容するので建物の老朽化についても考える必要がありますし、建物の補修はどうするのか、災害などによって建物が損傷した場合はどうなるのかなどを事前にきちんと確認しておくことが大切です。

 

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